豊橋技術科学大学建築・都市システム学系海岸工学研究室では,三河湾内の北部に位置する西尾市東幡豆町地先の東幡豆干潟で干潟のモニタリングを実施しています.この干潟は,海水位が低くなる干潮時には陸側と沖にある「前島」が陸続きになるため,「トンボロ干潟」とも呼ばれています.干潟は,潮の満ち引き(海水面の変化)によって物理環境が大きく変化し,多種多様な生物が生息する貴重な水域環境を作り出しています.
地形調査では,UAVを利用して干潟の上空から撮影場所を少しずつずらしながら大量の写真を取得します.その写真をもとに干潟全体の高解像度画像を作るとともに,写真測量の原理に基づいて干潟の3次元地形データも取得します.また干潟上での土砂移動に関する調査も実施し,地形や土砂環境の変化の実態把握に取り組んでいます.これらの調査データを解析することで,干潟の環境を維持・保全するための方策の検討をすることを目指しています.
建築・都市システム学系水環境工学研究室では三河湾に流入する河川の水質モニタリング調査を実施しています。三河湾には一級河川の豊川、数十の中小河川が三河湾に流入するため、湾内は過剰な栄養塩流入による富栄養化の影響で毎年赤潮や青潮が発生し、漁業被害が引き起こされるなど大きな問題を抱えています。その主な原因は私たちの生活等に由来する様々な排水であるため、当研究室では晴天時や降雨時など断続的な河川調査を実施し、陸域から流入する栄養塩類に関するモニタリングを実施しています。また、このほかにも陸域から河川を通じて生じる問題として、水生生物への慢性毒性が懸念される亜鉛、海洋生態系への影響が危惧されるマクロ及びマイクロプラスチックなどを対象としてフィールド調査を重視した調査研究を行っています。これらの活動により東三河地域の水環境を健全に保持し豊かな生態系を構築するための方策の検討をすることを目指しています。
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豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系
海岸工学研究室(担当:加藤 茂)
TEL:0532-44-6853
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水環境工学研究室(担当:横田久里子)
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