SDGsという単語が世に出る前より、蒲郡市では「三河湾環境チャレンジ」という環境教育活動があり、この活動は今から20年前ほど前から地元の小学生を対象に行われている。活動内容は子どもたちと磯の生物や海岸に落ちているゴミや死骸なども観察することにより自然環境に小さい頃から興味を持ってもらう入口になることを目的としている。子どもたちは小さな魚やイソガニ、ヤドカリに目が行くが、一見生き物に見えない岩に付いたフジツボや水から干上がったイソギンチャクなどについても説明し、観察した生物はスケッチして種名の特定や特徴、生息環境を記録する。さらにこの活動を通して知ったことや感じたことをまとめた子供たちの新聞を一部水族館に掲示して来館者に読んでもらうこともある。子どもたちが知ったことをたくさんの人に伝えることも大切であり、多くの人が海へ関心を持つきっかけになることがSDGs達成に繋がると考えている。
水族館では生きた生物の展示を行うことによって、来館者に海や川の環境や生物に興味を持ってもらうことを目的の1つにしている。竹島水族館では多くの生物を展示しており三河湾の生物に加えて遠州灘や熊野灘に棲む深海の生き物を中心に展示をしている。地元の漁師たちから水揚げされた、魚類や無脊椎動物など地域に根差した展示を行うことで地元の海を知り、SDGsの目標である海の豊かさを守る活動にも繋がっていく。そのために専門用語の多い解説を辞めて手書きで作るポップや魚歴書や魚の特性を利用したカサゴマンションなど、生き物に詳しくない人でも分かりやすく、興味を引く工夫をして楽しみながら海や川の生き物について学べることをモットーとしている。竹島水族館は来館者が生き物や水生環境に興味を持ってもらう入口になれることを目標の1つとしている。
〒443-0031
愛知県蒲郡市竹島町1-6
蒲郡市竹島水族館(担当:飼育展示係 平松涼太郎)
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